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Hand Specimen 小さな石と大きな景色と水平線 2020.10/3(sat)-10/11(sun)

Posted by nanahata at 2:02 日時 2020/09/14

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衣川泰典(美術家)×西田勝一(鉱物コレクター)
KINUKAWA Yasunori × NISHIDA Katsuichi exhibition of lithograph & mineral collection

2020.10/3sat-10/11sun
12:00-18:00 
10/8木曜日休廊

美術家 衣川泰典と鉱物コレクター 西田勝一による“石”をテーマとした展覧会 『A hand specimen〜小さな石と大きな景色と水平線〜』を開催します。


 衣川泰典は、自身の作家活動とともに近年アートプロジェクトチーム「Lighter but Heavier」のメンバーのひとりとしてリトグラフの研究、検証、展覧会企画を行っています。リトグラフは「石版画」とも呼ばれ、元は炭酸カルシウムを多く含有する石灰石を版材とした印刷技術のことをさします。衣川はその石灰石への好奇心から、国内で拾った石灰石にもとあった場所の風景を直接描き石版画にするという手法で「my little stone」という作品シリーズを制作しています。国内の石灰石が取れる場所をリサーチし、自らの手で石を裁断、描画、製版、印刷という工程を経てもとあった景色を石に写しとること。これらは石の記憶として、衣川が石と出会った風景のイメージを重ね描くことで人間が体感する時間とは異なるスケールの悠久の時間が作品に内包されます。

 西田勝一はおよそ30年という時間をかけ鉱物を蒐集しています。少年時代に石が自然と結晶することに感動し、鉱物のとりことなりました。中学生の頃、博物館で見た鉱物が意外と身近な場所で採集できることを知ったことから、蒐集の道が始まりました。鉱物に対する好奇心から化学・地質などへの興味を深め、日本新産鉱物を3種(Preisingerite, Bendadaite, Picropharmacolite)発見に寄与する実績※を収めました。今日に至るまで日々、新鉱物発見への熱意を胸に日本各地での鉱物探索を継続しています。

 「hand specimen」とは、少し聞き馴染みのない言葉ですが、蒐集家の間では手のひらサイズの標本のことを意味する言葉として扱われています。掌の上に乗るものを選ぶことを自らの蒐集における美学とする西田のコレクション、また衣川の手のひらサイズの版から生みだされる風景のイメージにちなみ、展覧会タイトルといたしました。

 ふたりが興味を持つ鉱物は、地球規模の何万年という時間と、高温・高圧などの様々な条件が複雑に掛け合わされて生み出されてできた奇跡そのもの。専門的なルーペを用いて鉱物の表面を見ると、まるで大地や海底の姿を俯瞰して眺めているような特別な感覚を覚えます。
本展では、これらの鉱物に内包されている不可視なものに着目します。手のひらの石たちは、私たちの視覚・触覚・知覚に静かに語りかけてきます。進行形の現在を生きる私たちには決して見ることも体験することもかなわない、小さな石のもつ大きな景色について、想像を膨らませる機会になれば幸いです。
ルーペのなかのきらめきとともに。 

※参照
 https://staff.aist.go.jp/miyagi.iso14000/nkysdb/7b/63/62bafd1d340493d6ff35291ed69d44b7957d.html
2005: 山口県美祢市大和鉱山産preisingerite  、2009: 大分県木浦鉱山産bendadaiteと鉄砒酸塩鉱物、2009: 大分県木浦鉱山産ピクロファーマコ石 (地学研究、日本鉱物科学会の学会発表と岩石鉱物科学誌の掲載)

Press release

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